学歴社会反対派の学歴妄信。米国のテロ事件は自業自得か。ビル・トッテンからのレター。
日本教育再考
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学歴社会構築の犯人

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       【子供達に教えたいこと】〜日本教育再考
……………………………………………………………………………2001/11/25号

▼子供達に教えたいこと

・【学歴社会の罠】学歴社会反対派が根では学歴崇拝者である怪

 先日、友人の佐藤さんから電話でキャリア(仕事)相談を受けました。彼
 はいわゆるMBA(Master of Business Administration)ホルダー。
 近年の過度の露出により、MBAというと「どんな一流企業にでも転職を
 可能にし、最低年収1000万円が保証される無敵の資格」と勘違いされ
 る方もまだいらっしゃいますが、実体はMBA=経営学修士号、ただの学
 位なのです。学士号がBachelorで修士号がMaster、というわけです。

 MBAという学位は大学院(米国が主流)で自称実践的な経営学を2年間
 学べば誰にでも与えられるものであり、卒業要件はそこそこ厳しいものの、
 資格試験のように不合格者が大量に出るわけではありません。初耳の方は
 MBAとは何か、大体のイメージが掴めたでしょうか?

 さて、以下はこのMBAホルダー(所持者)の佐藤さんとの会話の一部。

 「海治、ひどいな、アメリカは。アカウンティングファームのビッグファ
 イブにアプライ(応募)したんだが、レジュメ(履歴書)だけで却下だよ。
 奴らは肩書きしか見ないんだよ。履歴書の学歴なんかで何が分かるという
 んだろう。もっと個性尊重で面接をして欲しいものだ。」

 ビッグファイブというのは世界的に有名なアメリカの五大監査法人である
 プライスウォーターハウス・クーパーズ、アーンスト・アンド・ヤング、
 KPMG、デロイト・トウシュ・トーマツ、アーサー・アンダーセンの5
 社を指します。日本の監査法人はこの世界規模の会計士事務所の傘下だと
 言ってもいいでしょう。

 さて、こういう話は珍しくはないのですが、みなさん、異常な矛盾に気づ
 かれた事でしょう。経営学修士号を持っている人間が学歴社会非難をする
 のが決して問題なわけではないんですね。ちょっと話をすすめましょう。

 ビッグファイブともなれば、何万人という応募が来るわけです。まさか応
 募者全員を面接するわけにはいきません。面接するのにも会社側にはコス
 ト(費用)と時間がかかっているわけで、機会費用(その機会を他に転用
 していれば得られたであろう利益)を考えれば全員面接するのが得策とは
 言えないでしょう。相手の仕事時間を奪うわけですから、応募者がお金を
 払って「面接してもらう」のであればまだ理解はできますが、現実はそう
 でない以上、企業が効率を考慮して履歴書で第一次選考をするのはごく真
 っ当な行為でしょう。自分が採用担当者だっとして、徹夜で数ヶ月ぶっ通
 しで採用活動をする覚悟があるのかどうかを自ら問うてみる必要がありま
 すね。ただ、これもそんなに大きな矛盾ではないのですね。自分にできな
 いコトでも相手には求めてしまうのは人間の悲しい性ですから。

 何が一番皮肉かって、まさに佐藤さんこそが「看板」で会社を判断して、
 世界に名だたるビッグファイブに応募し、そのビッグファイブに「看板」
 のないコトを理由に却下されたわけです。これを聞いて、以下の小話を思
 い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 あるところに「世界一の女性」を探し求めていた男性がいた。長い年月を
 経て、やっとその男性は「世界一の女性」を探し当てた。が、結婚はでき
 なかった。なぜならその女性も「世界一の男性」を求めていたからだった。

 看板「だけ」で判断しようとする人間は、必ずしっぺ返しを喰らいます。

 相手もそれを求めるような人間しか集まらないわけですから、あなたの看
 板がよほど凄いものでない限り、いつかは見放されてしまいます。

 ところがそういう人間が存外に多い。就職活動をするにも「大手企業」を
 主に受けた人が大半ではないでしょうか。もしくは「どうせ手が届かない」
 からやむなく中小企業に入社した、等々、どこか心の中に「大手企業の人
 間が羨ましい」という気持ちがあった方が多いのではないでしょうか。

 看板にこだわらないなら、中小企業を徹底的に調査して、希望の職種や分
 野を極めている企業を志望したのでしょうが、そういう人は非常に少ない。

 「研磨技術に興味があるからディスコに行きたい!」という学生はそうは
 いません。ディスコとて一部上場で研磨技術トップ企業なのですが。。。
 とにかく何の迷いもなく、選択肢も広いのに関わらずそういう賢明な選択
 をした方は尊敬に値しますが、例外的な人物であると言えましょう。

 さて、そういう例外的な人物以外が繰り広げる学歴社会批判というのは、
 いかにもさもしいというか、寒い風がふいているんですよね。自己否定は
 したくないから、社会を否定する。結局自己肯定でしかないので、自らに
 端を発している学歴(看板)差別が解決するわけもない、と。さらにその
 ねじれがどこか人生に対する姿勢を卑屈にする。

 こんな不毛な悪循環、断ち切りたくありませんか?

 発端は自分なのですから、自分の考えかたさえ変えればいいんです。逆説
 的ですが、実際に確かに看板で人は判断できます。その看板でその人がど
 の分野で努力をしてきたのか、一定の判断材料になります。棟梁であれば、
 大工の道を究めた人間。料理長であれば料理の道を究めた人間。どんな種
 類の看板であれ、素晴らしいコトです。むしろ社会的に響きのいいと認知
 されている「三井物産」の人というのは、何を極めた人なのかよくわから
 ないくらいのもので。これ「東京海上」でも「日本生命」でもいいのです
 が、実は大企業の人間の方が、なんだかよくわからない意味不明な看板を
 しょっていたりするわけですから、そんなものに引け目を感じる必要は全
 く、ない。価値基準をもうちょっと広く持ちましょうよ。

 そこで特に国公立の先生方にお願い。変な学歴コンプレックスを子供に押
 しつけないで欲しい。「キミはせっかく模試でいい成績なんだから、東大
 狙わないともったいない」そんなアドバイスは大きなお世話で、本人がピ
 アニストになりたいなら挑戦させるのが教師というもの。親にも同じ事が
 言えるでしょう。そういうゆがんだ学歴コンプレックスは必ず子供の性格
 にも歪みを生じさせます。反看板社会というのは、どんな形であれ、学歴
 を意識せずにはいられなくなるので、そういう低俗な考えも捨てる事です。

 人間のビジネス能力を測る数ある指標の中で学歴は最も影響のあるものの
 一つではありますが、一つでしかない。そもそもビジネスという道ですら
 一つの選択肢でしかない。学歴の重要性を過大評価することなく、かとい
 って感情的に過小評価するでもなく、淡々と我が道を進むことを子供たち
 に教えて頂きたいものです。

 ちなみに佐藤さんとの会話のその後。「そうか、きついか。じゃあCPA
(米国公認会計士)とって再挑戦してみるか」それ、振り出しに戻ってます。
 人類って、看板(虚飾)を追うむなしさに、どこまで行けば気づくのでし
 ょうかね。私は佐藤さんには「野球好きなんですから、それを生かした分
 野でご活躍されては如何でしょうか?いつも野球のお話は楽しそうですし、
 アメリカでリーグ決勝まで行ったというのはすごい事ですよ。そういう方
 でMBAを持っているのは私の知り限り佐藤さんだけです。MBAを持っ
 ていて、そこまで社会人野球で活躍された方もいらっしゃらないでしょう
 し、独壇場じゃないですか。オンリー・ワンという奴です。羨ましいです」
 とお伝えしました。具体的なビジネス展開例などが続きました。念のため、
 会話中に私が敬語なのは、佐藤さんは友人とは言っても彼が年長だからで
 あって、仲が悪いということじゃありません。
 
 日本の野球関連で急成長のビジネスが数年以内に立ち上がったら、そこの
 社長は佐藤さんでしょう・・・だといいな、なんて夢想しております。

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▼時事/社会問題

・米国テロ事件の「正しい」教え方(4) さらなるおまけ<筆者の立場>

 歴史やジャーナリズムが私の専門ではありませんので、筆者の立場を書く
 かわりに、私が同意する立場のジョン・ピルガー氏の記事があるアドレス
 を掲載させて頂きます。中立を唱えながらも恐縮ですが、この件では反米
 です。知れば知るほど反米にならざるを得ないと言ってもいいでしょう。

 【株式会社アシスト社長 「ビル・トッテンからのレター」】
http://www.billtotten.com/japanese/ow1/00496.html

 アメリカの収奪がそもそもの原因なんだ、という文脈ですが、このペー
 ジの持ち主のアメリカ人経営者ビル・トッテンの切れ者っぷりと言ったら
 爽快ですので、メディアの一面的な斬り方に飽きた方は他の記事もどうぞ。

 同じく、企業レベル収奪という文脈でブランドを語った「NO LOGO」が売れ
 続けてるようです。ソニー会長の出井さんまで最近読んだ本にあげている
 のにはびっくりしました。ソニーをダメにした張本人とも言えますからね。

<http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4893613251/saikou-22>

 こういう正論が支配者側にも受け入れられる流れというのは、ポスト資本
 主義時代への突入を予感させますね。面白くなりそうです。

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▼目安箱

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 メールの返信をいただいた関本です。いろいろと、無礼があったことをお
 詫びします。正直言って今回のあなたのメールには感ずるものがありまし
 た。あなたの、行なおうとしていることも理解できたような気がします。
 ある意味で私のように、不快に感じた人もいたかもしれません。しかし、
 不快になれるということは、心の琴線に触れたということです。私のメー
 ルに返信をいただいたのも、あなたの心の琴線に触れたと言うことであり、
 お互いに問題意識を持てるようなメルマガの作成があなたの意図すること
 だったのではないでしょうか。最近の言いっぱなしの多いメルマガのなか
 で、あなたのように真摯に取組んでいる方がいるという(・・・以下略)
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   関本さん、批判と応援のお便りありがとうございました。前号はそれ
   こそ「こいつ何を言ってるんだ、わかってないな」と何も意見を発せ
   ずに解除してしまうような方を解除させるための文章でした。そうい
   う方は何か知識を得ても曲解して他人に伝えます。つまり、私の言論
   が悪用される可能性があるわけで、そのリスクは犯したくなかったの
   です。とはいえども、言っている内容は本心ですので、発言を撤回す
   る気はありませんし、関本さんにも理解頂けたようで嬉しく思います。
   今回のやりとりを通して、私も学ばせて頂きましたし、如何に自分が
   まだ子供なのかを思い知らされもしましたので有り難く思っています。
   ちなみに、解除された方は1・2名といったところで、びっくりしま
   した。全く記事を読んで頂けていないか、納得して頂けているのか。
   心の琴線に触れる。そんな体験を一つでも多くしていきたいものです。

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【投稿や叱咤激励は?】<kaiji@saikou.info>に遠慮なく送って下さい!
匿名希望や本誌への掲載は避けたいという方は投稿時に明記してくださいませ。
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【編集後記】ダイエット、自分もメルマガもうまくいきませんね。(うみ)
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発行者:大坪 海治 <kaiji@saikou.info>
配信システム:まぐまぐ <http://www.mag2.com/>
配信希望・配信解除は:<http://www.saikou.info/>
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【教育名言】
世界で一番有能な教師よりも、
  分別のある平凡な父親によってこそ、子供は立派に教育される。 ルソー
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