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| ▼【学歴社会の罠】学歴社会反対派が根では学歴崇拝者である怪 |
| ▼【アメリカへの幻想と学歴社会】Ivy Leagueと六大学 |
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▼【学歴社会の罠】学歴社会反対派が根では学歴崇拝者である怪 先日、友人の佐藤さんから電話でキャリア(仕事)相談を受けました。彼 はいわゆるMBA(Master of Business Administration)ホルダー。 近年の過度の露出により、MBAというと「どんな一流企業にでも転職を 可能にし、最低年収1000万円が保証される無敵の資格」と勘違いされ る方もまだいらっしゃいますが、実体はMBA=経営学修士号、ただの学 位なのです。学士号がBachelorで修士号がMaster、というわけです。 MBAという学位は大学院(米国が主流)で自称実践的な経営学を2年間 学べば誰にでも与えられるものであり、卒業要件はそこそこ厳しいものの、 資格試験のように不合格者が大量に出るわけではありません。初耳の方は MBAとは何か、大体のイメージが掴めたでしょうか? さて、以下はこのMBAホルダー(所持者)の佐藤さんとの会話の一部。 「海治、ひどいな、アメリカは。アカウンティングファームのビッグファ イブにアプライ(応募)したんだが、レジュメ(履歴書)だけで却下だよ。 奴らは肩書きしか見ないんだよ。履歴書の学歴なんかで何が分かるという んだろう。もっと個性尊重で面接をして欲しいものだ。」 ビッグファイブというのは世界的に有名なアメリカの五大監査法人である プライスウォーターハウス・クーパーズ、アーンスト・アンド・ヤング、 KPMG、デロイト・トウシュ・トーマツ、アーサー・アンダーセンの5 社を指します。日本の監査法人はこの世界規模の会計士事務所の傘下だと 言ってもいいでしょう。 さて、こういう話は珍しくはないのですが、みなさん、異常な矛盾に気づ かれた事でしょう。経営学修士号を持っている人間が学歴社会非難をする のが決して問題なわけではないんですね。ちょっと話をすすめましょう。 ビッグファイブともなれば、何万人という応募が来るわけです。まさか応 募者全員を面接するわけにはいきません。面接するのにも会社側にはコス ト(費用)と時間がかかっているわけで、機会費用(その機会を他に転用 していれば得られたであろう利益)を考えれば全員面接するのが得策とは 言えないでしょう。相手の仕事時間を奪うわけですから、応募者がお金を 払って「面接してもらう」のであればまだ理解はできますが、現実はそう でない以上、企業が効率を考慮して履歴書で第一次選考をするのはごく真 っ当な行為でしょう。自分が採用担当者だっとして、徹夜で数ヶ月ぶっ通 しで採用活動をする覚悟があるのかどうかを自ら問うてみる必要がありま すね。ただ、これもそんなに大きな矛盾ではないのですね。自分にできな いコトでも相手には求めてしまうのは人間の悲しい性ですから。 何が一番皮肉かって、まさに佐藤さんこそが「看板」で会社を判断して、 世界に名だたるビッグファイブに応募し、そのビッグファイブに「看板」 のないコトを理由に却下されたわけです。これを聞いて、以下の小話を思 い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。 あるところに「世界一の女性」を探し求めていた男性がいた。長い年月を 経て、やっとその男性は「世界一の女性」を探し当てた。が、結婚はでき なかった。なぜならその女性も「世界一の男性」を求めていたからだった。 看板「だけ」で判断しようとする人間は、必ずしっぺ返しを喰らいます。 相手もそれを求めるような人間しか集まらないわけですから、あなたの看 板がよほど凄いものでない限り、いつかは見放されてしまいます。 ところがそういう人間が存外に多い。就職活動をするにも「大手企業」を 主に受けた人が大半ではないでしょうか。もしくは「どうせ手が届かない」 からやむなく中小企業に入社した、等々、どこか心の中に「大手企業の人 間が羨ましい」という気持ちがあった方が多いのではないでしょうか。 看板にこだわらないなら、中小企業を徹底的に調査して、希望の職種や分 野を極めている企業を志望したのでしょうが、そういう人は非常に少ない。 「研磨技術に興味があるからディスコに行きたい!」という学生はそうは いません。ディスコとて一部上場で研磨技術トップ企業なのですが。。。 とにかく何の迷いもなく、選択肢も広いのに関わらずそういう賢明な選択 をした方は尊敬に値しますが、例外的な人物であると言えましょう。 さて、そういう例外的な人物以外が繰り広げる学歴社会批判というのは、 いかにもさもしいというか、寒い風がふいているんですよね。自己否定は したくないから、社会を否定する。結局自己肯定でしかないので、自らに 端を発している学歴(看板)差別が解決するわけもない、と。さらにその ねじれがどこか人生に対する姿勢を卑屈にする。 こんな不毛な悪循環、断ち切りたくありませんか? 発端は自分なのですから、自分の考えかたさえ変えればいいんです。逆説 的ですが、実際に確かに看板で人は判断できます。その看板でその人がど の分野で努力をしてきたのか、一定の判断材料になります。棟梁であれば、 大工の道を究めた人間。料理長であれば料理の道を究めた人間。どんな種 類の看板であれ、素晴らしいコトです。むしろ社会的に響きのいいと認知 されている「三井物産」の人というのは、何を極めた人なのかよくわから ないくらいのもので。これ「東京海上」でも「日本生命」でもいいのです が、実は大企業の人間の方が、なんだかよくわからない意味不明な看板を しょっていたりするわけですから、そんなものに引け目を感じる必要は全 く、ない。価値基準をもうちょっと広く持ちましょうよ。 そこで特に国公立の先生方にお願い。変な学歴コンプレックスを子供に押 しつけないで欲しい。「キミはせっかく模試でいい成績なんだから、東大 狙わないともったいない」そんなアドバイスは大きなお世話で、本人がピ アニストになりたいなら挑戦させるのが教師というもの。親にも同じ事が 言えるでしょう。そういうゆがんだ学歴コンプレックスは必ず子供の性格 にも歪みを生じさせます。反看板社会というのは、どんな形であれ、学歴 を意識せずにはいられなくなるので、そういう低俗な考えも捨てる事です。 人間のビジネス能力を測る数ある指標の中で学歴は最も影響のあるものの 一つではありますが、一つでしかない。そもそもビジネスという道ですら 一つの選択肢でしかない。学歴の重要性を過大評価することなく、かとい って感情的に過小評価するでもなく、淡々と我が道を進むことを子供たち に教えて頂きたいものです。 ちなみに佐藤さんとの会話のその後。「そうか、きついか。じゃあCPA (米国公認会計士)とって再挑戦してみるか」それ、振り出しに戻ってます。 人類って、看板(虚飾)を追うむなしさに、どこまで行けば気づくのでし ょうかね。私は佐藤さんには「野球好きなんですから、それを生かした分 野でご活躍されては如何でしょうか?いつも野球のお話は楽しそうですし、 アメリカでリーグ決勝まで行ったというのはすごい事ですよ。そういう方 でMBAを持っているのは私の知り限り佐藤さんだけです。MBAを持っ ていて、そこまで社会人野球で活躍された方もいらっしゃらないでしょう し、独壇場じゃないですか。オンリー・ワンという奴です。羨ましいです」 とお伝えしました。具体的なビジネス展開例などが続きました。念のため、 会話中に私が敬語なのは、佐藤さんは友人とは言っても彼が年長だからで あって、仲が悪いということじゃありません。 日本の野球関連で急成長のビジネスが数年以内に立ち上がったら、そこの 社長は佐藤さんでしょう・・・だといいな、なんて夢想しております。 ↑メニューに戻る ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【アメリカの学歴社会】Ivy Leagueと六大学 この特集、2号にわける予定でしたが、学歴ネタが続くのも鬱陶しいので、 この号で終わらせます。多少長くなりますが、最後までお付き合い下さい。 今まではテロ事件に絡めて、アメリカに対する迷信について言及してきま した。今回は前号の【子供達に教えたいこと】の流れで「日本は学歴社会」 で「アメリカは実力社会」であるという迷信について検証します。 そもそも学歴社会と実力社会の違いというのを細かく定義すること自体が 難しいですし、下らない議論なのでしょうが、ハナシをわかりやすくする ために、まず日米それぞれの長(指導者)を例にとって考えましょう。 1990年代以降の日本の首相とアメリカの大統領の学歴ってどうなって ると思われますでしょうか?まず日本ですが、竹下登に始まり、今日の小 泉純一郎にいたるまで、なんと11名の首相がいるわけですが、出身大学 は次の通り。早稲田大学(3)、慶應義塾大学(2)、東京大学、神戸商 科大学、上智大学、成城大学、明治大学がそれぞれ1名ずつ。確かに聞い たことがあるような大学名が連なってはいますが、思ったよりもバラエテ ィーに富んでいる印象があるのではないでしょうか。 さて、次はアメリカ大統領。任期の関係で3名のみですので、列挙します。 ジョージ・ブッシュ(共和党)Yale University(イェール大学) ビル・クリントン(民主党)Georgetown University(ジョージタウン大学) Oxford University(オックスフォード大学) Yale University(イェール大学大学院) ジョージ・W・ブッシュ(共和党)Yale University(イェール大学) Harvard Business School(ハーバード) これ、とんでもない学歴群なのですが、海外の事でちょっと感覚が掴みに くいかもしれませんので【The Gourman Report】という世界中にある大学 を網羅したランキングのレポートを利用させて頂きます。これによると、 まずブッシュの出身であるYaleは世界で6位。クリントンのGeorgetownは なぜか圏外ですが、全米のみの大学ランキングで著名な【US News】を参照 すると、全米23位となっており、これは世界ランキング4位のミシガン 大学より上位に位置しております。いずれにせよ、超名門です。クリント ンは他にも英オックスフォードにも行っていますが、ここは世界4位。更 に世界6位のYaleのLaw School(法学大学院)も卒業してます。 アメリカ人の間でも「史上稀に見る無知な大統領」とされる今のブッシュ 大統領ですが、彼も実は世界6位のYale出身です。選挙戦時は「庶民の味 方」を演じてエリート臭を消すために、Yale出身であることに言及しなか った程です。さらに凄いのはHarvard Business School(HBS)をも卒業 していることです。HBSはかの有名な世界3位のハーバード大学の経営 学大学院です。つまり、前号で紹介した日本のビジネスマンの間で憧れの MBA(経営学修士号)ホルダーなわけですね。ちなみに全員Yale出身。 ここまで読んでどういう印象でしょうか。アメリカの大統領の「学歴」と なると、まず一つの大学だけでなく、修士号まで普通に持っています。そ れも世界トップレベルの大学において、です。華麗すぎますが、日本は? 日本の首相の中で最も高いとされる「学歴」は最高学府の東京大学、とい うことになるでしょう。大学院出身ですらないので、すでにアメリカと比 ぶるべくもないですが、この東京大学、The Gourman Reportで101位。 見間違いではありません、百一位です。この、無力感、伝わっております でしょうか?日本の学歴なんてこんなもの。東大に特別驚く必要なんてな いんですが、これでも日本はアメリカに比べて学歴社会でしょうか? さて、詭弁はひとまずおいておいて、ここからが本題になります。本当の ところ、学歴で人を判断している(できる)のは日米のどちらなのか。こ れを理解するために表題にあるIvy Leagueに関して説明します。 日本の有名大学の一つの集団を指すものとして、東京六大学という呼称が あります。東大、慶應、早稲田、立教、明治、法政の六校です。これには 関西の大学が含まれてない上、他の東京所在の有名大学である一橋大学や 上智大学などは含まれてません。(関東圏以外の方にとっては「常識」で はないので敢えて説明しております。自ら使用している用語や概念を誰で も知っていると思うのは大きな間違いです)有名大学全てをカバーしてい ないのは、ただのスポーツリーグの呼称なので仕方がないでしょう。これ のアメリカ版がIvy League(アイビーリーグ)になります。 アイビーリーグと呼ばれるのは以下の名門八校。Princeton(1)Harvard(3) Yale(6)Cornell(10)Columbia(23)Pennsylvania(27)Brown(32)Dartmouth(36) Tokyo(101)、かっこ内は世界ランキングで、勿論最後の一校は違いますね。 六大学と同じく、東部のスポーツリーグの呼称ですので、西部の名門であ るスタンフォード大学は含まれておりませんし、東部の名門校であるマサ チューセッツ工科大学(MIT)なども入っていません。ただ、その名門っぷ りは最後のTokyo(101)と比べて頂ければ理解して頂けると思います。 さて、このアイビーリーグがアメリカでは意外に蔑称に近い使われ方をす る事が多い。もちろん若い女性にとっては「憧れの」アイビーリーガーだ という見方もできますが、ドラマで、日常会話で、コケにされる事が多い。 特に中流層のアメリカ人に見られる特徴と言えるでしょうが、アイビーリ ーガー達がいる所では間違ってもそういう発言はしないので、本人達は知 らない可能性も高いでしょう。 これ、日本の六大学では見られない特徴ではないでしょうか。表面的には 東大=ガリ勉、と受け取る風潮はありますし、「東大生のくせに」という 表現も聞きますが、これって東大に限ったことである上、人格攻撃までに 発展することは稀です。さらに私大に至っては論外で、なんら特別ではあ りません。高校時代に勉強したかしないかの差なだけで、決して能力差を 表すものではないでしょう。六大学にいる人間が特別な人間ではないです し、死ぬほど勉強すれば追いつけない人間ではない、ただ、そこまで勉強 するよりも友達と遊んだ方が楽しかっただけ、というのが真実でしょう。 ようは、六大学の人間はそれなりに努力はしたでしょうが、だからと言っ て彼らが特別な人間だ、人格者だ、自分はどうやってもかなわない、と思 っている日本人は少数派だというのが実感です。 翻って、アイビーリーグ。彼らは実際に特別なんですね、ある程度。幼少 の頃からアメリカではエリート教育が施されます。それぞれの特定分野で 優秀な人間は選抜され、学期の途中であろうが何であろうが州の英才教育 校に転校していきます。私も芸術分野で転校直前だったようですが、記憶 も才能も残っていません。アメリカの子供はそういうシビアな弱肉強食の 世界を見て育つわけです。当然、目指すはアイビーリーグ。でも届かない。 あまりに遠い。さらに、アイビーリーグは日本的偏差値だけで入学が決ま るわけではなく、様々な特殊能力を持っている一芸に秀でた人材が揃って いるときている。彼らは全米のほとんどの人にとっては雲の上どころか、 他の宇宙の世界と言ってもいいでしょう。すると何が起こるか。 アイビーリーグの表向きの否定です。目指していたものが手に入らない、 それならその目指していたものは大したものではないのだ、という否定の 仕方で、認知的不協和理論として知られています。大半の人はアイビーで はないのに、でも確かにアイビーは圧倒的な実力がありますから、妙なバ ランスの雰囲気ができるんですね。実際にアイビーリーグクラスの大学出 身の方とそうでない人には日本では考えられない大きな差があります。そ の差を埋めるためにみんな日本人から見たら「ウソ」をつくことになりま す。これは決してアメリカ人に悪意があるわけではなく、そういう文化で すので、善悪ではありません。自分があまりに「ダメ」側(アイビーリー グではない)の人間であるために、できない事もできる、と大げさに表現 するんですね。よって、履歴書が当てになりません。ソニーの盛田さんが 初めて米国に進出した際に人を雇ってびっくりしたのが、アメリカ人が応 募基準を満たしていると信じて雇用して、実際に働かせると何もできない ことがあったようで、ソニーのホームページでその歴史を読むことができ ます。日本では考えられないことです。逆に日本人が外資系の会社に就職 する際に問題とされるのが履歴書の記述があまりに謙虚すぎる、という事 がありますから、面白いものです。 長く住まれると、アメリカでは悲しいことに、学歴である程度、人格が担 保されてしまっている事に気づくと思います。例外はたくさんありますが、 少なくとも比例関係があります。日本では学歴と人格に相関関係は見られ ないと言っていいでしょう。他に個性尊重の教育も要因として無視できな い位に大きいのですが、これは誌面の都合でまたの機会に譲らせて下さい。 簡単にまとめてしまえば、アメリカは社会階層の上下の開きが非常に大き く、看板である程度の人間の判断ができてしまう社会だ、ということです。 米国経営者は平均で平社員の159倍もの報酬を得ていたりもして(日本 は10倍程度)、年収と学歴(学位)の比例関係がとても強いというのも よく言われるところです。 日本は学歴社会だと言われており、それも一面の真実でしょうが、決して アメリカが夢の社会ではない、ということです。少なくとも、日本の方が 多少マシではあると言えなくもないわけでして、必要以上に日本の現状を 悲観しないことです。楽観論では何も始まりませんが、悲観論ばかりでも 「よし、変えてやろう!がんばってやろう!」という「やる気」すら失わ れてしまいます。で、どうやって学歴社会を崩していくのか、という第一 歩については前号に書いた通りです。 考え方を変えるだけで社会なんて変わるわけですから、どんどんみんなで 「今までと違った考え方」をしていきましょう! 【US News】 http://www.usnews.com/usnews/edu/college/rankings/ranknatudoc.htm 【The Gourman Report】 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4900909041/saikou-22 ※事情通の方はUndergradと大学院のランキングを一部混同している点や Law/Biz Schoolとの関連性など気になる所もあるでしょうが、わかりや すい記事にするためですので、細かいツッコミはご容赦下さいませ。 ↑メニューに戻る ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |
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